弦の振動のシンプレクティック解法

前回の「単振動のシンプレクティック解法」の最後に触れた「弦の振動」のプログラムを書いてみた。離散フーリエ変換とその逆変換について復習&整理するのに予想外に手間取ってしまった。詳しくは Essays に記事を載せたのでそちらを見ていただきたい。

結果は期待通りリープフロッグやクランクニコルソンより良好である。ただし残念ながらこの成功には「線形性」が本質的に効いているので,一般の非線形系では上手くいかない。もっとも,数値計算の精度には自ずから「許容範囲」というものがあるので,従来の解法が無意味というわけでは全然ない。

驚くべきは,非線形であっても「可積分系」の場合には同様の解法が存在することである。詳しくは拙著「解析力学」(日本評論社)や原論文(arXiv の 2006 " Determinant Expressions ... ")を読んでほしい。


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