プランクからボースまで24年

そう言えば原論文を読んでないと思い Wikipedia「Max Planck」の英語版を覗いてみた。Publications の最初にある 1900a,b,c の3つが有名な「熱輻射論」で,幸いに英訳の pdf が置いてある。この b 論文を見ると中に「(N+P-1)!/P!(N-1)!」という式がある。これはボース・アインシュタイン統計の「場合の数 W」に他ならない。これには驚いた。

先日 Essays 14 に書いたようにこれからボース分布関数までは未定乗数法によって一直線なのだが,実際に Bose が論文を書いたのは 24 年後だった。その間に誰か別人(例えば Einstein)が気付いても何らおかしくないから,これほど時間を要したのは何故なのか。もしかすると埋もれた研究があるのではないか。機が熟するには時間が掛かるなどと後からなら何とでも言えるが「不思議な現象」ではある。

物理や数学を「歴史的順序」通りに教えかつ学ぶ必要はない。自己流に再構成すると「見える景色」が違ってきて面白いことがある。これは昨今流行りの「歴史の捏造」とは別のことである。

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