車輪の再発明

前回の記事に書いたことは新しくも何ともない結果だと判明した。提示した手法は「ボレル和」というのが正式名称で,例えば岩波「数学公式 II」に総和法(全部で6個のうち)の一つとして挙がっている。こういうのを「車輪の再発明」というらしい。そこで最低限の修正を加えた改訂版を arXiv にアップし直しておいた。

こういう「発散級数の和」という問題の歴史は古く,いろいろな数学者が試みているという。ちなみに発端のウォリスの生没年は 1616--1703 であるが,彼がニュートン(1642--1727)より前の人というのには驚いた。 ついでながら,オイラーは 1707--1783,ガウスは 1777--1855 である。一方で,ボレルは新しく 1871--1956 である。

「ボレル和法」というのは「繰り込み群」が流行った頃に聞いたことを思い出したが,右から左に素通りしていた。自分で使ってみないと身に付かない,というのは本当のことだと改めて実感した。

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