ジョーク論文?
最近のネットニュースに,「リーマン予想への一歩か」という惹句を付けて,ある論文についての記事があった。著者 Yitang Zhang の紹介として「文革時代に下放(強制疎開されて農業に従事)を経験」とあったのにも興味を惹かれて当該論文 arXiv:2211.025v1 [math.NT] を入手してみた。
そのアブストラクト(下掲)を見て,これはジョーク論文ではないのか,と疑った:式中に今年の西暦数「2022」があるからだ。大学入試の問題にも毎年のように当該年度の数字を使った問題がどこかの大学で登場する。数学者はこういうジョークを好むらしいのである。物理でも時々ジョーク論文があるが,高々数ページですぐにお遊びだとわかるのが普通だ。しかし全部で 110 ページもあるからジョークにしては壮大すぎるし,すぐには内容を理解できないが真面目な論文らしい。
試しに著者名を検索すると「張益唐」でウィキペディアに載っている;現在 67 歳で UCSB(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)に在籍している。私は寡聞にして知らなかったが,数論研究者として有名らしく「双子素数」の研究でいくつかの賞を受けているらしい。
少し真面目に読む気にはなったが,この方面(解析数論)には全くの素人なので歯が立つかどうか。「リーマン予想とどう関係するのか」だけでもわかると嬉しいのだが。
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